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PROJECT STORY Vol.1
シェアハウス
プロジェクト
プロジェクト概要
女性が喜ぶシェアハウスを創り、人気物件にしよう。
2015年2月、福岡市南区井尻に女学生をターゲットにしたシェアハウス「ドリームシェア井尻I」が完成した。
井尻は大学進学を機に1人暮らしをする女学生が多いエリア。だが、ドリームステージに物件を探しに訪れる客からは、女性の1人暮らしに不安を抱える声も寄せられていた。そこでアーウィンが考えたのが、福岡市ではまだ馴染みのないシェアハウスの建設だった。
シェアハウスの内装や家具、生活備品のコーディネートを担当したのがウィークリー・マンスリー事業部のリーダー・織畠茜子。そしてこの建物が完成した後からが、本当の意味でのプロジェクトの始まりだった。
プロジェクトメンバー

- 織畠 茜子(おばた あかね)
- ウィークリー・マンスリー事業 リーダー
テーマは写真に撮って、誰かに自慢したくなる家。
プロジェクトの発足は2014年の夏。設計図が仕上がり、具体的な内装を決める段階になり、織畠はプロジェクトに招集された。
建物は2階建て。共用のキッチンダイニングと20帖のリビング、バスルームや洗面所、トイレ、そして入居者用の個室が20室。シェアハウスに入居者が入るまで1カ月半。それまでに建物のすべての内装を決め、家具・生活用品一式を用意することが、織畠の最初のミッションだった。もちろん通常のウィークリー・マンスリーマンションの業務と並行してである。
「どうすれば入居する女性たちが喜んでくれるか、知恵を絞りました。そこで決めたテーマが『自慢できる家』。当時はインスタもまだ流行っていませんでしたが、写真を撮って誰かに見せびらかしたくなるような、ドラマや映画に出てくるような空間づくりを目指しました」。
自分のイメージが形になっていく楽しさを知る。
共用部の壁には黄緑やピンクなどビビッドな色に加え、ドットやゼブラなど柄物のクロスも大胆に配した。20室ある個室もすべて違う内装で、それぞれ通常のアパートやマンションにはないポップさがあふれている。かつてインテリアショップで働いていた織畠のセンスとアイデアの勝利だった。「前職もですが、ドリームステージで営業をやっていた時、物件をたくさん見ていた経験が役立ちました」と織畠。家具や生活雑貨の買い込みは全部署に声をかけて手の空いた社員に手伝ってもらいながら、何とか期日までに運搬完了。夜通しかけて家具を組み立て、レイアウトまで無事に終えることができた。大変ではあったものの、自分の頭の中のイメージが形になっていく楽しさを体感できた。それは織畠にとって大きな財産となった。
始動後に起きた、予想外の問題。
2015年2月、「ドリームシェア井尻I」は完成。20室すべてに借り手がつき、シェアハウスとして順風満帆なスタートを切った。ところが始動から1年ほど経った頃、退居者が続出。入居率は50%までに落ち込み、賃貸管理(プロパティマネジメント)を担当していたアーウィンは頭を抱えることになる。「入居者さんがいくつかのグループに分かれてしまい、シェアハウス内の人間関係がうまくいかなくなったことが原因でした。それに、最初は男性社員が女性専用の建物を管理していたため、お困りごとや不満をうまく聞き出せなかった。そこで女性の私が担当になり、管理業務全般を引き継ぐことにしたんです」。織畠が業務を引き継いだ時のシェアハウスは人間関係の悪化を表すように、掃除もされていない建物内は廃墟も同然だったという。
自らシェアハウスで生活。
入居者目線で問題をリサーチ。
織畠はまず空き部屋に自ら泊まり込みで、問題をリサーチ。入居者とコミュニケーションを取りながら、ストレスの原因を探っていった。「直接話を聞いてみると、原因はごく些細な問題がきっかけだったりするんです。これを放置しておくから、いけない。そこで入居者さん同士のLINEに加わって、問題があれば何でもすぐに言えるような仕組みを作りました」。
また織畠はリビングで入居者全員が体験できるイベントを開催。ヨガや韓国料理、ネイルの教室、バーベキュー大会など、月毎に女性が興味を持ちそうなテーマを考えた。「共通のお楽しみがあれば、親睦も深まる。このシェアハウスが自分たちの家だという愛着も高まる。そうすれば入居者さんが自分たちで生活のルールや掃除当番を決めるなど、自然といいサイクルが動き出します」。
シェアハウスの人気はⅤ時回復。
この経験を次に活かす。
織畠がシェアハウス内の環境を整えると同時に、リーシング事業部では繁忙期に入居者の募集を強化。徐々に入居率は回復し、今では「ドリームシェア井尻I」は退室待ちが出る人気物件となっている。「シェアハウスは運営が難しいと言われていますが、それは建物という“箱”だけを見ているから。箱の中に住む“人”の声にフォーカスすれば、自然とそのシェアハウスに適した管理方法が見えてくると思います」。織畠が「ドリームシェア井尻I」の管理で学んだことを活かして、また別のコンセプトのシェアハウスプロジェクトが動き出す日も来るはずだ。